猫のフィラリア症
蚊に刺されることによって感染するフィラリア症は犬の疾病としては大変恐ろしいものとしてよく知られている病気ですが、近年は猫においての危険性にも注目があつまっています。
どうやって罹るの? 猫も罹るの?
蚊がフィラリア症に感染した犬を吸血し、体内にフィラリア幼虫を取り込みます。
この蚊が次の犬または猫を吸血する際にフィラリア幼虫を送り込み新たな子に感染をおこします。
フィラリアは犬が主たる寄生主ですが猫にも寄生します。
地域猫に関する調査では 調査対象猫の約10%が感染していたとの報告もあります。
感染するとどうなるの?
体内に入ったフィラリアの生活環は犬と猫とでは違い症状も異なってきます。
猫の主たる症状は・・・
- 慢性の呼吸器症状 - 犬糸状虫随伴呼吸器疾患とよばれ、フィラリアに対する拒否反応として咳や呼吸困難などの症状が現れます。
- 突然死 - 死滅した虫体が肺動脈に詰まったり、虫体にアナフィラキシーショックを起こしたりして突然死に至ります。
診断・治療は?
犬と違い猫のフィラリア症の確定診断は非常に困難です。従って治療も対処療法が主になります。突然死に関しては対処法がありません。
予防法はあるの?
あります、ごく簡単な予防法が。
すでにお使いいただいている方も多いかと思いますが、当院でお出ししているフィラリアにも効果のあるスポットタイプのノミ予防薬(1本 1400~1730円)を月に1回塗布するだけで予防できます。
感染率が低い、寄生数が少ない、しかも無症状の子が多いことからこれまでは猫の疾病としては重要視されませんでした。
当院でも積極的な予防をお勧めしてきませんでしたが、近年の報告をみると予防の必要性を感じます。
感染の確立は少なくとも、罹ってしまうととてもやっかいな病気です。
ノミ予防を兼ねて、ご自宅で簡単な方法で予防できる病気ですから是非、万一に備えていただければと思います。